一番上手くなるバドミントン・・・
一番上手くなるバドミントンは、「遊びバドミントン」です。
それも上手い人が、遊びで楽しく、一緒にバドミントンをしてくれると、上手くなります。
僕はそういうバドミントンが大好きです。
高校生、大学生の教え子が、小学生、中学生の教え子に、遊びで楽しくバドミントンをしてくれると、下の子たちは、どんどんバドミントンが好きになり、どんどん練習してくれ、どんどん上手くなっていきます。
僕の指導の一つはこれです。
教えない、指導しない、その代わり、一緒にバドミントンを楽しむ。
だけど、この方法は、結構難しいんです。
バドミントンが楽しくて仕方がない、素直で、真似をし、一緒に打って楽しい子でないと、楽しめません。
簡単に言うと、とにかく前向きで、人を尊敬し、目、耳から心に言葉が入る子に向いている練習方法です。
目、耳から心に入る子は、上手い子と打たせるだけで、どんどん吸収し、上手くなっていきます。
上手い子も、目の前で上手くなる子を見ると、プラッシャーを感じ、自分の練習も頑張ります。
僕は選手ではないので、持っている全ての知識、能力など、教え子に全部あげられます。しかし、選手は違います。
みんなが打てるようになれば、自分の練習にもなるので、全体のレベルアップを望む一方、ライバルになり、追い越されるのは、正直嫌なものです。
そういうのが、選手だと思います。
僕はそれはとても大切なことだと思います。
チーム内で、ライバルにわざわざ塩を送らない。
そういう気持ちがある子でないと、強くはなりません。
教えてあげるけど、全部は教えたくない。
チーム内でもライバルは、勝っていくためには、大切な仲間だと思います。
昔、クラブ内に同学年女の子5人の時に、みんなに教えるんですが、5番手の子を2番手に上げました。そうすると、最初は、差があり、安心していた子たちが、焦りだし、みんなが頑張りました。
5番手→2番手→5番手にはなりましたが、1年半で県内だと、同学年団体最下位から、県一位になりました。
小学生、個人戦では、2人中国大会に出ましたが、中学、高校。大学と続けてくれたので、中国大会、インターハイ、インカレなど、どれかに5人とも出てくれました。
その時、やっとことは、教え子の全国クラスの中学生、高校生と一緒に練習させたことでした。
その時も、「君たちは選手だから、教えないでほしい。ただ、自分たちの練習をしてくれたらいい。」と中、高生には言いました。
練習を見て、試合の相手をしてもらって、バドミントンってこういうものなんだ。ということを知ること、憧れにすること、こういうことが、強くなるために必要な事なんです。
「君たちは選手なんだから、教えないでほしい。ただ、自分たちの練習をしてくれたらいい。」
これは今でも変わっていません。
教える僕は、レベルによって教える内容、強度、言葉など変えていきます。
上の子の練習風景を見た、小さい子が、「僕も、私もあんなふうになりたい」と瞳をキラキラさせてくれたら、必ず上手くなります。
教えるだけが練習ではなく、ときには教えないバドミントンが、上手くなるバドミントンになります。
田中信雄