高校生を教え初めて5ヶ月、普段の練習、合宿参加などもあり、向上率は上がり、試合での結果は少し高めに設定していました。
しかし、それが思わぬ落とし穴。
勝たなければならない試合を落とし、悔しさとともに、勝たなければならないレベルを知り、負けず嫌いの僕の心はヒシヒシと燃え上がりました。
試合後の初めての練習、
生徒の実力を見ながらの練習メニューを辞め、「オレに合わせる」の一言。
目標が見えた限りは、とても頑張っている教え子たちに結果と自信を上げなければ、指導者ではありません。
と同時に、最近教えていて、自分自身なんかしっくりこなかった理由が見えてきました。
出来ない・・・、後ろ向き・・・、が心にブレーキをかけていた。
試合に負けたことで得た、「頑張る」という意識。
勝つことは、指導者だけでもダメ出し、生徒だけでもダメです。
しかし、生徒が勝ちたいと思った時点から、指導者も勝たせなければならない。このプレッシャーが実は大好きなんです。
勝てる子を勝たせるよりも、勝てない子を勝たせる方が面白い。
そして、せっかく出逢った子たちを勝たせたい。これが大事。
勝つことだけを求めて教えていた時期、
勝たせることに迷いがなかった。
勝たせなければならなかった時期、
勝つことにしんどさがあった。
勝たせるだけがスポーツではないと感じた時期、
勝つことに迷いがあった。
どちらもできるようになった時期、
どちらつかずの自分がいた。
すべてを経験した今、
もう一度、勝つことを求めてもいいと思った。
指導者の価値は現在進行形。
常に結果がなければ価値がない。
僕は欲張りなんです。
すべての生徒にバドミントンを楽しませたい。
100人いたら100人がバドミントンを好きになってもらいたい。
その一方で、すべての生徒に勝ちを求めてもらいたい。
全国で勝てる選手を育てたい。
そのどちらも常に手にしておきたい。
欲張りというよりはわがままです。
そして、生徒との出逢いを大切にしたい。
強いチームの維持、強化よりも、弱いチームを強化して、勝たせたい。
ここに頑張る人の魅力があると思います。
正直、良い指導者はたくさんいます。
正直、良い選手もたくさんいます。
その両方がなかなか出逢えないこともあります。
そして、出逢えることのあります。
僕はしあわせだと思います。
みんなバドミントンを好きになってくれます。
そして、勝ちたいと思ってくれるようになります。
欲張りからわがままへ
今、教えている大事な教え子と勝ちたい。
これが今の僕の本音です。
田中 信雄