一番いい練習・・・
長いアップと短いアップ、両方練習しておくことが、必要だと僕は思います。
3時間練習で、1時間から1時間30分はアップやストレッチ、素振りやフットワークに時間をかけたいものです。
逆に言うと、3時間練習で、3時間打ちたいのであれば、1時間30分前に来て、アップやストレッチ、素振りをして、コート内練習では、フットワークから始め、基礎打ち、基礎練習、ノック、パターン練習、ゲーム練習としていけばいいのです。
幼児、低学年こそ、まじめです。
一度指導すると、ちゃんと「アップ風」をします。
本人たちは「何気に教えてもらったことをただやっているだけ」なんですが、コートに入る前の時間、ちゃんと走りに行っています。本人たちは、遊びなんですが(笑)
「これが当たり前」と僕が言うと、ちゃんと覚えて、自分たちから「走りに行っていいですか」と聞いてきます。
前やった練習も、小さい子の方が、結構覚えています。
現在、実力的に出来ている出来ていないは、別にして、これらを幼児、低学年から始め、続けることで、5年後、10年後に表れます。
①「これが当たり前」という指導に対する「リターン」をそのまましていく子の方が、結果として、良い結果を得ています。
②その逆に、「リターン」をしない子「あれこれ考える子(結果としてしない子)」はなかなか思うように結果が出ません。
伸びているようで、僕のイメージ通り伸びない子は、②の子です。
逆に、予想以上に伸びてくる子は、①の子です。
ある日突然グッと伸びる子は、①の子です。
そういった意味でも、練習はウソをつきません。
今上手い子、今勝っている子へのアドバイスは、「逃げ切りなさい」ということです。
「下の子たちよりも、何倍も練習しなさい」ということです。
そうでないと、いつか、追い抜かれます。
練習している子は、どこで伸びて来るか、本当に未知数です。
僕は、今上手い子、今勝っている子よりも、まじめに練習している子こそ、チャンスがあるといつも思います。
グッと伸びる時期、チャンスに、グッと伸ばす自信があるので、言えるのかもしれませんが、まじめに「僕の当たり前」を素直にしていく子は、どこかで必ず伸びてきます。
もっと言えば、伸ばします。
まじめに練習している子、「僕の当たり前」をまじめにやっている子は、「スイッチ」が入った時の集中力が違います。
その時間が、今は「10分」かもしれませんが、それが「15分、20分、30分、1時間」と長くなれば、結果として、「2時間、3時間」の練習で、「オンとオフ」を切り替えることが出来るようになります。
「スイッチ」の地盤は、「当たり前」の意識を、本人が知らない内に上げていることです。
「コート内鬼ごっこがしたい」と言った場合、「疲れた、もういい」と思ったら、いいに来なさい」と言います。
それを見ている、保護者や上級生は、「遊んでいる」と思うかもしれません。
しかし、この遊びを休憩も入れつつ、30分走りまわります。
こんないいトレーニングはないなと僕は思います。
僕が「やりなさい」と言わずに自分たちから30分、「ストレッチとアップ、水分補給、休憩、ステップワーク、フットワーク」をしていく。
これが一番いい練習だと僕は思います。
これを、やらされている練習だと思ってやったら、効果は半減します。
上級生や中学生、高校生や保護者に、30分コート内で鬼ごっこをさせたら、30分は持ちません。
やらせれる練習も必要ですが、「やりたい練習」は効果が倍増します。
正直、生徒が、「30分走ってきてもいいですか?」と練習前や練習後、練習の空き時間などに、言ってくれると、こんなにうれしいことはありません。
「もっと練習したい、もっと走りたい」なんて言われると、時間に余裕があれば「どうぞ」と僕は言います。
僕が見ている分、保護者が見ている分でのトレーニングはどんどんやってくれていいと思います。
スポーツは遊び、遊びながら、楽しく身体を動かせることこそが、一番上手くなる練習です。
「これが出来たら、これをやりたい」
「これが出来るようになったら、これをやりたい」
「これを頑張ったら、これをやりたい」
「これが出来たら、もっと難しいことをやりたい」
どんどん言ってくれたらいいと思います。
「遊んでいるようで、実はいい練習になっている」
これが一番いい練習です。
「だって練習ってこんなもんじゃん」
と自分から30分走ってくる。
「だってバドミントンってこんなんだもん」
と自分から何本ノック打ってください、と決める。
めっちゃ笑顔で「今日は1000本打つんだ、先生いいでしょ」と言う。
実際に出来るかどうか、の前に、「やるんだ(笑)」っていうのが、大切なんです。
どこで「スイッチ」が入るかは分かりませんが、その時間が一番伸びて来る時間です。これは幼児でも高校生でも同じです。
シャトルを打たない練習を楽しく出来ること。
自分のためにやる練習こそが、いい練習だと思います。
田中信雄