高校生の試験も終わり、来週から練習再開です。
ここでの期待は、時間を大切にしてくれることと、集中力アップです。
2時間の練習で、2時間集中することはできません。
しかし、コートに入った自分を想像したとき、コートに入ってから、集中力を高めても、遅いです。
準備→集中→余韻の繰り返しです。
試合で勝てない子は、集中力の切り替えが下手です。
試合では、ある一定に集中をしています。
その中で、ラリーは100%の集中に切り替わります。
スイッチの入れ替えを自分でコントロールできれば、集中力は散漫になりません。
しかしそれは、普段の練習から練習が必要です。
試合では、成功と失敗があります。成功したと思っても相手にリターンされれば、失敗になります。
失敗と感じないためには・・・
「いいショットを打った、決まった」と成功したと思うから、リターンされたり、失敗(ミス)と感じてしまいます。こうならないためには、「決まった」と思わないことです。もっと言えば、決まってから「決まった」と思うことです。
もっと言えば・・・
バドミントンは、一球入魂ではありません。ラリー1回が集中する1回です。
サービス→ラリー(100%の集中)
ラリー終了→サービス(集中)
サービス→ラリー(100%の集中)
ラリー終了→サービス(集中)
繰り返しが試合
バドミントンは、多球(ラリー)入魂だと思います。
長いノックで、試合でに集中力を作り、回数ノックで集中力の切り替えを作る。
①5分~10分ノック
②10球~20球・インターバル・×5セット~59セット(サービススタート)
③10球~50球(各種)集中型基礎打ち
できる所をもっと伸ばす、できない所をなくす練習
自分で出来ていない所が分かれば、それを克服する。
一番時間がかかる子は、指示・指導に自分の意見を出す子。
正直、そこに時間も暇もかけたくない。
いちいち「出来ない」で、時間は取りたくない。出来るようになるために、指示・指導をしているのだから、「出来ない」ではなく「やれ」と思う。
もっと言えば、「勝ちたいのであれば、やれ」と思う。指示・指導をこなして、どんな時間をかけて練習しても「出来ない」のであれば、才能ないんだよ。
だけど、出来そうにない子に「やれ」とは言わない。
指示・指導するってことは、出来る子だと思っているから教える。
「出来ん→悔しい→出来るまでする」は好き。
「出来ん→悔しい→無理」は嫌い。
自分が教えている子は可愛いんです。試合で負けたら悔しいんです。そんなの当たり前でしょう。
勝つ子が好き、負ける子が嫌い。そんなのじゃなくて、勝つために一生懸命練習を頑張る子が好きなんです。
だって、同じ目的でしょう。
同じ目的に向かって一緒に頑張りたいでしょう。
一緒に頑張った子は、一緒に頑張らん子よりも可愛いに決まっているじゃないか。
これは好き嫌いでも、ひいきでもないでしょう。
人の心というものでしょう。
「コーチのための勝ったよ」
「コーチが教えてくれたからいい試合ができたよ」
「はい、賞状」
なんて言われたら、そりゃ嬉しいよ。
教えている子が勝てないってのは、僕もまだまだってことです。
高校生活ラストの試合まで、あと数ヶ月。
最後の試合は、コートの中で終わらせてあげたい。
その為の練習です。
ある生徒が言いました。
3年生で、応援席で後輩の試合を応援して終わりたくない。
僕も同じ立場ならそう思います。
どんな立場でもベンチに入りたいし、試合に出たいと思います。
どんなに技術を上げても、体力がないと継続しません。どんなに技術・体力が上がっても、精神面・集中力がなければ、試合では勝てません。
みんな自信もっていいくらいの技術はついています。ただ過信してはいけません。どんなショットでもリターンされる。ガマンして、決まるまで我慢して、耐え、頑張るメンタルの強さを持つ。
「どうやったらメンタルを強く出来るか…」と聞かれますが、「誰よりも走って、誰よりも練習して、誰よりも頑張っていると実感する練習をしたら、メンタルは強くなります。というより、そこまでやったら、試合で簡単に負けられないでしょう。意地が出るでしょう。
派手なプレーがしてければ、安定して、崩れない基礎ベースがいります。たまたまの派手なプレーはいりません。
というよりも本当に強い人は、派手なプレーになりません。
スマッシュを速く見せたければ、遅いショットを使う必要があります。同じ打ち方でそれが出来れば、スマッシュは速く見せれます。
スマッシュの高さを変えれば、もっと効果的になります。
そもそもスマッシュが速いのか遅いのかなんて、自分ではわかりません。スマッシュを打てるショットを上げさせないと、スマッシュは打てません。
もっと言えば、サービスが出来ない子は、試合では勝てません。
サービスを練習しましょう。
高校生のよさを小学生と違い頭があります。
理解力があります。
小学生は1から10までかかることが、高校生は半分で済みます。
ということは、小学生の倍は練習時間が短縮できます。
体力・精神面が出来ていると、技術練習だけで済みます。
1年で基礎をやり、2年目で応用をすれば、高校初めでも、ジュニアからやっている子にはある程度勝てるはずです。
トップ8は厳しくても、トップ16は勝てる可能性があります。
問題は、試合のどこでその子たちと当たるかです。
勝てる試合は必ず勝っておく。そうすると次の試合で組み合わせが良くなります。
チャンスをチャンスだと思うこと。ピンチはピンチでしかありません。
チャンスは自力、ピンチは他力or自力が必要です。
高校生諸君に出逢えて、教えることができて、本当に楽しいです。
その分、「高校生活でのバドミントンは本当に楽しかった」と思ってくれるような結果を残してあげたいですね。
田中 信雄